西宮の整骨院
元々理学療法やリハビリテーションは一般の運動と同じように
ウォーミングアップ(温熱療法)
↓
エクササイズ(訓練・体操・矯正療法)
↓
クールダウン(整理体操・アイシング)
以上の3つのセットで行われてきました。
骨折やマヒなどで硬くなったり関節が痛くて動かない部分に対して運動療法や矯正治療を行う前に筋肉や関節をやわらげて痛みを少しでも軽くしておくために温熱療法がありました。
例えば、ホットパック・マイクロウェーブ・パラフィン浴やバイブラバス(気泡浴)などがこれにあたります。
その後、運動療法や矯正治療が施行されて、最後にその運動や治療で発生した熱を取ることが行われてきました。
一般に日本の医療機関では、この最後のクールダウンが湿布と消炎鎮痛剤によって行われますが、当院ではこれを生理的氷冷法で行っています。
温めるだけの治療では、炎症が少しでも残っている場合は、後で霜みや発熱が強くなったり、症状が進行してしまうことがあります。
冷えと氷冷は違います。
クーラーやプール・冷たい風の中などで、長時間身体を冷やすと、いわゆる『冷え』の状態になります。この冷えは身体にとって良くない現象で、血行不良や自律神経症状など様々な問題の原因になります。
冷えは身体の広い部分が冷やされることで発生します。広い範囲に冷えが起こると、人間はその防御のために、手足や体表面からの血流を撤退させてからだの中心部(体幹部分)に血流を集めるという、生命を守るための反応を起こします。
冬山で遭難した人が凍傷を起こすとき、必ず手足の先や皮膚表面から損傷していくことはよく知られていますが、これとは逆に、狭い範囲(体表面積の1割以下)で氷冷すると、血流が氷冷している箇所に集まって、温度が極端に下がることを防ぐため、血行やその他の生命反応が大きく変化することはありません。
氷を取った後、氷冷していた部分が赤くなっているのは生命を守るための反応を起こしているためです。そして、人間は体温が一定に維持される哺乳類であるため、狭い範囲(体表面積の1割以下)で氷冷程度では、一定以上の温度低下は起こりません。
一般に人の体は、0度の氷を当てた部分の表面は20分間で約10度下がり、その後はこれ以上下がらないように防御されます。氷冷の範囲を限定して、正しい生理的局所冷却をおこなっていれば、一般にいわれるような『冷え』の反応は起こらないことを知っていてください。氷冷の範囲を限定して、正しい生理的局所冷却をおこなっていれば、一般にいわれるような『冷え』の反応は起こらないことを知っていてください。
一般に販売されている蓄冷剤や保冷剤は、化学物質でできています。
これらは冷凍庫から出してすぐは0度以下に冷えすぎているため、そのまま当てると『凍傷』を起こす危険がありますし、逆に身体に当ててからは、その温度はどんどん変化し0度を超えて上昇してしまいます。
蓄冷剤は基本的に温度を一定にコントロールすることは不可能です。前述の通り、生理的氷冷法では氷は溶けはじめから最後まで0゜Cを縫持するため、当てている闇匿学的に効果の高い範囲を保ちつづけます。
また、人間の身体は約60%の水分でできていますから、熱のやりとりは化学物質でできた蓄冷剤よりは、水の固まりである氷の方が違和感なく行えます。同じ冷やす手段であっても蓄冷剤と氷ではその医学的効果と安全性に大きな違いがあります。